本記事では、ステンレスホッパーの種類について、機能別・業界別・投入物別・形状別の4つの視点から詳しく解説いたします。
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- ステンレスホッパーとは
- 【機能別】ステンレスホッパー
- 【業界別】ステンレスホッパー
- 【投入物別】ステンレスホッパー
- 【形状別】ステンレスホッパー
- ステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイント
- ステンレスホッパーの特注製作事例
ステンレスホッパーとは
ステンレスホッパー(英語:Stainless Hopper)とは、耐食性・耐熱性・強度に優れたステンレスを材質とするホッパーです。化学的に不活性で毒性がないステンレスは、安全性・サニタリー性が要求される食品・医薬品・化粧品のいわゆる三品産業において使用されることが多い材質です。ステンレスホッパーも例に漏れず三品産業の工場において活躍しています。
ホッパーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【機能別】ステンレスホッパー
ステンレスホッパーの用途・機能は、以下の3つに大別することができます。
- 充填・投入
- 粉粒体・流体の計量
- 固形物の計数
ステンレスホッパーは、食品工場やボトリングプラントなどで、規定量の食品や飲料・薬液などをトレーやボトルに充填する役割を果たします。
また、粉粒体や流体(液体・粘体)の計量、飴玉や錠剤など固形物の計数にも使用されており、特に投入物の自動計量を行うホッパーをホッパースケールと呼ぶことがあります。
多数の容器に対して、規定量(又は規定数)を効率よく充填することができる”〇連ホッパー”もよく見られます。
【業界別】ステンレスホッパー
ステンレスホッパーは、主に以下の業界・分野で使用されています。
- 食品・飲料
- 医薬品・製薬
- 化粧品
- 化学
- 産業機械(成型機・造粒機)
ステンレスホッパーの主戦場は、いわゆる三品産業(食料品・医薬・化粧品)ですが、それだけではありません。化学業界や成型機・造粒機において、樹脂ペレットや薬品を機械・装置に投入するためにステンレスホッパーが使用されています。
なお、三品産業向けのステンレスホッパーは、サニタリー性が非常に重要です。切断面のバリや溶接後のビード、バフ研磨後のバフ粉などが表面に残っていると、安全性に大きな影響を及ぼすため特に注意しなければなりません。
【投入物別】ステンレスホッパー
ステンレスホッパーの投入物は、①粉粒体(顆粒)、②固体、③液体、④粘体 という4種類に大きく分類することができます。
具体例を挙げると、ざっと以下の通りになります。
粉粒体(顆粒) | 粉末調味料(砂糖・塩 等)、粉末錠剤(顆粒剤)、粉末洗剤 等 |
固体 | 固形食品、穀物、固形錠剤、タブレット、木材ペレット、樹脂ペレット 等 |
液体 | 飲料、液体調味料(醤油・みりん 等)、化粧水、洗剤、薬液、廃液 等 |
粘体 | (冷却前の)飴、粘体調味料(たれ・味噌・油・マヨネーズ・ケチャップ 等)、クリーム、生地、歯磨き粉 等 |
一粒一粒が細かい粉粒体は、ビードが残っている箇所やホッパーの隅、角度が付いている箇所に溜まりやすく、詰まりを起こしやすいため、ビードカットや角にRをつける等の工夫が求められます。
比較的粒が大きい固形物は、ホッパーに投入する際に大きな衝撃が加わるため、溶接部に投入物が落下して摩耗・破損が早まるのを防ぐために溶接部をずらす等の対策を講じることがあります。
液体は比較的流動性が高いですが、たれやマヨネーズといった粘り気のあるいわゆる”粘体”については、ステンレスホッパーの排出口を偏心にするなど排出性を良くする工夫が必要になるケースがあります。
【形状別】ステンレスホッパー
最後に、ステンレスホッパーの形状についてです。
詰まりを起こしにくい丸ホッパーや、大量の投入物を処理できる角ホッパー、両者を良いとこどりした角丸ホッパーなどが代表的ですが、その他、排出性を高めた偏心ホッパーや温度調整を可能にしたジャケット式のホッパーもあります。
- 丸(円錐)
- 角(四角錐、三角錐)
- 角丸
- 変形
- 偏心
- ジャケット式
ステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイント
ステンレスホッパーの板金加工及び溶接におけるポイントは以下の3つです。
- 長寿命化のため、投入物の落下面で溶接しない
- ビードカットを施すことで、溶接ビードによる粉詰まりを防ぐ
- 滑りをよくするためバフ研磨、必要であれば電解研磨を施す
当サイトを運営する株式会社小花製作所は、ステンレス板金加工のプロフェッショナルとして、三品産業向けにホッパー、シュート、タンク、フレームなどのステンレス板金製品を製作してきました。
当社は、円錐、角錐、角丸、偏心、ジャケット式はもちろん、他社で断られるような特殊形状・規格外サイズのステンレスホッパーの製作も得意としております。
曲げ工程では、高度な叩き出し技術を駆使して複雑な三次元曲面を成形することも可能で、溶接工程ではTIG溶接・ファイバーレーザー溶接など熟練の溶接技術を用いて高精度・高品質を実現しております。仕上げ工程については、ビードカットはもちろん#800までのバフ研磨や電解研磨も行っており、三品産業特有の安全性・サニタリー性・外観品質・厳しい表面性状にも問題無く対応可能です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>ステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイント
ステンレスホッパーの特注製作事例
当社が過去に製作したステンレスホッパーをご紹介いたします。
①食品加工機用変形ホッパー
こちらは、食品加工機械に付帯する、へルール接続部を備えた半円型のステンレス製変形ホッパーです。
こちらの変形ホッパーは、通常の曲げ加工では成形が難しいため、職人がハンマーを用いて成形を行いました。ハンマーで叩いて成形を行うことで、通常の曲げ加工では難しい複雑形状の板金部品も製造可能となります。
また、小型である分製造の難易度があがるため、高度な溶接技術も必要とします。こちらのホッパーには、我々が最も得意としてるTIG溶接で溶接を施しています。
②食品保温用 丸型二重ホッパー
こちらのホッパーには、内側に微細な粉状の材料を投入する際に材料が引っかからないよう、ビードカットという溶接痕の除去加工を行っております。
高度な溶接整形と非常に滑らかなバフ仕上げが求められます。溶接後の微調整も難しいです。さらに、大きい方のホッパーの内面に小さいホッパーを入れ子にして使用するため、それぞれのホッパーの寸法精度も高いものとなっております。
③ジャケット式ミニホッパー
こちらは、L100程度の円錐形状のミニホッパーで、取り外し可能なジャケット構造になっております。
左側のホッパーの内面に右側のホッパーが入れ子になって使用されるため、いずれのホッパーも高い寸法精度に仕上げております。
④粉体充填機用ホッパー
こちらは、粉体充填用のホッパーです。
溶接ビードによる凹凸に微細な粉を滞留させないよう溶接部は全てビードカットを行ったほか、美観性向上のため全面バフ研磨仕上げを施しました。
こちらの製品には全周溶接も施しておりますが、全周溶接ですと製品に溶接熱が溜まってしまうため歪みが生じてしまいます。しかし当社では、板材の切り出しの際に、あらかじめ溶接による歪みが発生することを考慮してレーザーカットにて切り出しを行っています。そのため、溶接後に、寸法通りの製品に仕上がります。
ステンレスホッパーの特注製作なら、小花製作所にお任せください
株式会社小花製作所は、特注ステンレスホッパーの製作実績が多数ございます。
ステンレスホッパーの特注製作をご検討の際は、お気軽にご相談ください。