ステンレスのホッパーやシュートは、複雑な三次元曲面であることが多く、ベンディングマシンや成形加工機を用いた通常の機械板金だけでは成形することが困難です。
本記事では、複雑な三次元曲面を成形する際に行われる叩き出し板金(打ち出し板金)について詳しく解説します!



<目次>

 

叩き出し板金(打ち出し板金)とは

叩き出し板金(英語:Hammered Sheet Metal)とは、ベンディングマシンのような機械や金型ではなく、技術者が金属の薄板をハンマー(ハンドハンマー)などの工具で叩いて成形する方法です。打ち出し板金、もしくは機械板金に対して手板金(手加工板金)と呼ばれることもあります。

具体的な加工プロセスは以下のようになります。

  1. 材料取り後、簡易金型を取り付けた成形加工機に金属板をセットし、大まかな曲げ加工を行う
  2. 鉄床(かなどこ)やあて板の上にワークを置き、ハンマーで叩いて目的の形状に成形する
  3. 溶接・組立、表面処理を施す

叩き出し板金は、建築板金や自動車板金ではよく使われており、産業機器や工業製品を製作する工場板金においても、機械板金ではできないような複雑な三次元曲面を成形する目的で行われています。

 

叩き出し板金の3つのポイント

叩き出し板金のポイントは3つあります。

①試作・小ロットに向いている

専用金型が不要なため初期コストがかからず、一点物や小ロットの試作品を製作する場合に向いています。また、数cmの小物から数mクラスの大物まで融通が利きます。

②複雑な三次元曲面を成形できる

食品や医薬品、化粧品工場で使用されるホッパー・シュートのような円錐・角錐形状の製品は、機械で成形するのが難しい場合が多いです。叩き出し板金であれば、機械で出せないような複雑な三次元曲面を成形することができます。

③精度・品質が技術者の能力に依存する

技術者が手作業で行う加工であるため、精度・品質が技術者の能力に依存します。叩きの加減や反りの発生予測のほか、使用するハンマーの選定も重要です。叩き出し板金に用いるハンマーには、荒出しハンマー、ならしハンマー、ゴムハンマー、木製ハンマーなど様々な種類があります。

 

当社だからこそできるステンレス叩き出し板金

複雑な三次元曲面成形を可能にするステンレスの叩き出し板金(打ち出し板金)|ステンレス板金 試作加工センター.com

「ステンレス板金 試作加工センター .com」を運営する株式会社小花製作所は、三品産業を中心に、ホッパーやシュート、フレームなど月1,000種類以上のステンレス板金加工品を製造している板金加工メーカーです。

ホッパー・シュートなどの三次元曲面は、コスト面・加工性の点から機械板金では成形や溶接が難しい複雑形状であることが多いです。

しかし、熟練の技術者が多数在職しており、且つ寸法精度はもちろん三品産業において重要な美観性やサニタリー性を考慮した高精度・高品質の溶接技術をもつ当社であれば、複雑な三次元曲面であっても叩き出し板金により成形・溶接が可能です。

 

叩き出し板金で製作したステンレスホッパーの事例

当社が過去に製作したホッパーをご紹介いたします。

①食品加工機用 変形ホッパー

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こちらは、食品加工機械に付帯する、へルール接続部を備えた半円型のステンレス製変形ホッパーです。

こちらの変形ホッパーは、通常の曲げ加工では成形が難しいため、職人がハンマーを用いて成形を行いました。ハンマーで叩いて成形を行うことで、通常の曲げ加工では難しい複雑形状の板金部品も製造可能となります。

また、小型である分製造の難易度があがるため、高度な溶接技術も必要とします。こちらのホッパーには、我々が最も得意としてるTIG溶接で溶接を施しています。

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②食品保温用 丸型二重ホッパー

複雑な三次元曲面成形を可能にするステンレスの叩き出し板金(打ち出し板金)|ステンレス板金 試作加工センター.com

こちらのホッパーには、内側に微細な粉状の材料を投入する際に材料が引っかからないよう、ビードカットという溶接痕の除去加工を行っております。

高度な溶接整形と非常に滑らかなバフ仕上げが求められ、溶接後の微調整も難しいです。さらに、大きい方のホッパーの内面に小さいホッパーを入れ子にして使用するため、それぞれのホッパーの寸法精度も高いものとなっております。

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③ジャケット式ミニホッパー

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こちらは、L100程度の円錐形状のミニホッパーで、取り外し可能なジャケット構造になっております。

左側のホッパーの内面に右側のホッパーが入れ子になって使用されるため、いずれのホッパーも高い寸法精度に仕上げております。

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④粉体充填機用ホッパー

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こちらは、粉体充填用のホッパーです。

溶接ビードによる凹凸に微細な粉を滞留させないよう溶接部は全てビードカットを行ったほか、美観性向上のため全面バフ研磨仕上げを施しました。

こちらの製品には全周溶接も施しておりますが、全周溶接ですと製品に溶接熱が溜まってしまうため歪みが生じてしまいます。しかし当社では、板材の切り出しの際に、あらかじめ溶接による歪みが発生することを考慮してレーザーカットにて切り出しを行っています。そのため、溶接後に、寸法通りの製品に仕上がります。

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ホッパー・シュートの特注製作なら、小花製作所にお任せください

株式会社小花製作所は、あらゆるステンレス板金の試作加工に対応しております。

「形状や精度面で不安があり、一度試作を行ってから量産に移りたい!」
「でも試作対応に融通が利く板金屋がいない…」
「既存のサプライヤーには試作加工を断られてしまった…。」

そうした方々の駆け込み寺として、当社ではあらゆるステンレス板金の試作加工を承っております。

過去に10m以上のコンベヤやフレームなど製造ライン一式を一括で製造した実績もございます。

 

ホッパー・シュートの特注製作なら、小花製作所にご相談ください。

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