MIG溶接の特徴は、MAG溶接、CO₂ガス溶接では出来ない非鉄金属の溶接が可能かつ溶接面が綺麗に仕上がるという点です。
本記事では、特徴、他の溶接の種類の違い、注意点をお伝えいたします!
本記事は設計担当者や購買担当者の方に必ず知っておいて頂きたい内容です。
本記事は2・3分で読めますので、ぜひご覧下さいませ!



MIG溶接の特徴

MIG溶接(Metal Inert Gas溶接)とは、ガスシールドアーク溶接の一種であり、シールドガスに不活性ガス(主にHe:ヘリウムあるいはAr:アルゴンが用いられる)を用いて実施される溶接方法です。
そもそもガスシールドアーク溶接とは、溶接部分にシールドガス(※1)として不活性ガスを噴射し、溶接面で高温になった金属が酸素と反応し酸化することを防ぐ溶接方法です。
ガスシールドアーク溶接は溶接時に出るヒューム(高温により金属が気体と化し、煙のような見た目をしている物質)が他の溶接方法より少なく健康被害の危険性が低い、ビードが綺麗に見えるというメリットがあります。

※1 シールドガス:アーク溶接中に溶けた金属が大気中の酸素、窒素、水蒸気等にさらされると酸化、窒化等の化学反応を起こし、溶けた金属部分が劣化を起こしてしまいます。これらを防ぐために溶接部分へ噴射する他の化学物質と反応しにくい物質を噴射するのがシールドガスである。シールドガスとして主に用いられるのは不活性ガス(希ガス)と呼ばれる他の物質と反応しにくいガス(He:ヘリウム、Ar:アルゴンが代表例)やシールドとしての強度は劣りますが低コストで使用ができる炭酸ガス(Co₂ガス)等になります。

 

他のガスシールドアーク溶接の種類との違いをご紹介

ここまででMIG溶接及びガスシールドアーク溶接についてご紹介いたしました。続いて他の種類のガスシールドアーク溶接をご紹介いたします。溶接の種類によって扱いやすい材質やかかるコストも変化してくるという点に注意が必要です。

①MAG溶接

MAG溶接(Metal Active Gas溶接)とは、シールドガスに不活性ガスとCO₂ガス(炭酸ガス)の混合ガスを用いたシールドガスアーク溶接です。シールドガスに炭酸ガスを混ぜることにより、アークを補足し溶け込みを良くすることができます。
しかしCO₂ガスが化学反応を起こすという点から、アルミニウム等の非鉄金属溶接にMAG溶接を用いることは不可能となっております。

②CO₂ガス溶接(炭酸ガスアーク溶接)

CO₂ガス溶接とは、シールドガスとしてCO₂ガス(炭酸ガス)を用いるシールドガスアーク溶接です。
CO₂ガス溶接は炭酸ガスという比較的安価なガスを用いており、溶接コストが安くなります。また炭酸ガスはアークと化学反応を起こし、炭酸ガスとアークの間に反発力が生じ、アークが細くなります。これによって熱エネルギーが伝わりやすくなり、溶け込みが良くなり、MIG溶接やMAG溶接と比較し強度を得る事ができます。
一方で、MAG溶接と同じくCO₂ガスが化学反応を起こすという点から、アルミニウム等の非鉄金属溶接にCO₂溶接を用いることは不可能となっております。またスパッタ(溶接部分の周囲に出る粒)も多くなり、溶接部分の見た目が悪くなるという点にも注意が必要です。

③TIG溶接

TIG溶接(Tungsten Inert Gas)は、溶接する金属電極棒を手動で入れるタイプのMIG溶接となります。
金属電極棒がタングステンで出来ており、シールドガスとして不活性ガス(主にHeあるいはArが用いられる)というのはMIG溶接と変わりません。

 

MIG溶接を用いる場合と注意点をご紹介

他のシールドガスアーク溶接をご紹介したところで、次はMIG溶接を用いる場合と注意点についてご紹介いたします。
MIG溶接の特徴は2点あります。
1点目はMAG溶接、CO₂ガス溶接では出来ない非鉄金属の溶接が可能であるという点です。そして2点目は最大の特徴として、溶接面が綺麗に仕上がるという点です。スパッタが少なく、ビードが盛り上がることがないため、人の目に触れる機械のボディの溶接に用いるのに向いていると言えます。
但し、注意点としてはシールドガスが高価であるということ、またアークが広がるため溶け込みが他のシールドガス溶接に比べ良くないということが挙げられます。
更にアークが広がってしまうことから風が吹く作業場では用いることが困難であるということに注意が必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
当記事ではMIG溶接に関して、特徴や種類、MIG溶接を行う際に気を付けるべきことという点に注目してお伝えいたしました。
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