ステンレスホッパーを製作する際は、ホッパーの使用用途・使用環境を充分考慮したうえで加工・溶接を行わなければ、充填ラインで使用している際にトラブルを起こす可能性があります。
本記事では、ステンレスホッパーの設計者の方にもぜひ知っておいていただきたいステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイントについて詳しく解説します!




<目次>

  • ステンレスホッパーとは
  • ステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイント
  • 小花製作所のステンレスホッパー製作
  • ステンレスホッパーの製品事例の紹介

ステンレスホッパーとは

ステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイント|ステンレス板金 試作加工センター.com

ステンレスホッパー(英語:Stainless Hopper)とは、耐食性・耐熱性・強度に優れたステンレスを材質とするホッパーです。化学的に不活性で毒性がないステンレスは、安全性・サニタリー性が要求される食品・医薬品・化粧品のいわゆる三品産業において使用されることが多い材質です。ステンレスホッパーも例に漏れず三品産業の工場において活躍しています。

そもそもホッパーとは何でしょうか?

ホッパーは、工場の充填ラインにおいて、上部から投入した粉粒体や液体、錠剤などをトレーやボトルに充填する役割を果たす製品です。

ホッパーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

>>ホッパーとシュートの違いとは?

 

ステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイント

ステンレスホッパーの板金加工・溶接において注意すべき点を3つご紹介します。

①長寿命化のため、投入物の落下面で溶接しない

ホッパーの図面の溶接指示が、投入物の落下面になっている場合があります。しかし、投入物の落下面で溶接してしまうと、溶接部の摩耗・破損や、それによる投入物の詰まり・漏れのリスクが高まり、ホッパーの製品寿命が短くなる恐れがあります。

投入物が落下する面とは別の面で溶接するようにすることで、溶接部の摩耗・破損のリスクを限りなく低減することができます。

 

②ビードカットを施すことで、溶接ビードによる粉詰まりを防ぐ

溶接を施すと、繋ぎ目に溶接ビード(ビード)と呼ばれる盛り上がった溶接痕が生じてしまいます。この溶接ビード(ビード)は、投入物がスムーズに排出されることを妨げ、且つ詰まりの原因になります。

したがって、溶接後にはビードを除去する必要がありますが、その工程をビードカットと呼びます。ビードカットを施し表面性状を改善することで、粉詰まりや作業者の怪我など使用中のトラブルを防止することができます。

 

③滑りをよくするためバフ研磨、必要であれば電解研磨を施す

ホッパーは、投入物を充填するという機能上、投入した物体の排出性が重要になります。この排出性を良くするためには、ホッパー、特にコーン部内面の滑り性が良好である必要があります。

滑りを良くするために仕上げ工程で行われるのが、バフ研磨です。

バフ研磨とは、布などでできたバフを使ってステンレス表面の研磨を作業のことで、研磨剤のグレードによっては鏡面に仕上げることも可能です。

バフ研磨の様子は下記の動画でも紹介していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

また、より厳しい表面性状が必要になる場合は、電解研磨を施します。電解研磨により、表面の微細な凹凸やバフ・切り粉などの不純物を除去できるとともに、強固な酸化被膜が形成されて耐食性を向上させることができます。

>>ホッパーの形状と加工ポイントを解説

 

小花製作所のステンレスホッパー製作

「ステンレス板金 試作加工センター.com」を運営する株式会社小花製作所は、ステンレス板金加工のプロフェッショナルとして、三品産業向けにホッパー、シュート、タンク、フレームなどのステンレス板金製品を製作してきました。

当社は、円錐、角錐、角丸、偏心、ジャケット式はもちろん、他社で断られるような特殊形状・規格外サイズのステンレスホッパーの製作も得意としております。

曲げ工程では、高度な叩き出し技術を駆使して複雑な三次元曲面を成形することも可能で、溶接工程ではTIG溶接・ファイバーレーザー溶接など熟練の溶接技術を用いて高精度・高品質を実現しております。仕上げ工程については、ビードカットはもちろん#800までのバフ研磨や電解研磨も行っており、三品産業特有の安全性・サニタリー性・外観品質・厳しい表面性状にも問題無く対応可能です。

>>当社が対応可能なステンレスホッパーの形状・サイズ

>>偏心ホッパーのメリット・デメリットとは?

 

ステンレスホッパーの製品事例の紹介

当社が過去に製作したステンレスホッパーをご紹介いたします。

①食品加工機用変形ホッパー

ホッパーとシュートの違い|ステンレス板金 試作加工センター.com

こちらは、食品加工機械に付帯する、へルール接続部を備えた半円型のステンレス製変形ホッパーです。

こちらの変形ホッパーは、通常の曲げ加工では成形が難しいため、職人がハンマーを用いて成形を行いました。ハンマーで叩いて成形を行うことで、通常の曲げ加工では難しい複雑形状の板金部品も製造可能となります。

また、小型である分製造の難易度があがるため、高度な溶接技術も必要とします。こちらのホッパーには、我々が最も得意としてるTIG溶接で溶接を施しています。

>>詳細はこちら

 

②食品保温用 丸型二重ホッパー

ホッパーとシュートの違い|ステンレス板金 試作加工センター.com

こちらのホッパーには、内側に微細な粉状の材料を投入する際に材料が引っかからないよう、ビードカットという溶接痕の除去加工を行っております。

高度な溶接整形と非常に滑らかなバフ仕上げが求められ、溶接後の微調整も難しいです。さらに、大きい方のホッパーの内面に小さいホッパーを入れ子にして使用するため、それぞれのホッパーの寸法精度も高いものとなっております。

>>詳細はこちら

 

③ジャケット式ミニホッパー

ホッパーとシュートの違い|ステンレス板金 試作加工センター.com

こちらは、L100程度の円錐形状のミニホッパーで、取り外し可能なジャケット構造になっております。

左側のホッパーの内面に右側のホッパーが入れ子になって使用されるため、いずれのホッパーも高い寸法精度に仕上げております。

>>詳細はこちら

 

④粉体充填機用ホッパー

ホッパーとシュートの違い|ステンレス板金 試作加工センター.com

こちらは、粉体充填用のホッパーです。

溶接ビードによる凹凸に微細な粉を滞留させないよう溶接部は全てビードカットを行ったほか、美観性向上のため全面バフ研磨仕上げを施しました。

こちらの製品には全周溶接も施しておりますが、全周溶接ですと製品に溶接熱が溜まってしまうため歪みが生じてしまいます。しかし当社では、板材の切り出しの際に、あらかじめ溶接による歪みが発生することを考慮してレーザーカットにて切り出しを行っています。そのため、溶接後に、寸法通りの製品に仕上がります。

>>詳細はこちら

 

ステンレスホッパーの特注製作なら、小花製作所にお任せください

株式会社小花製作所は、食品・医薬品産業向けのステンレスホッパーの加工実績が多数ございます

ステンレスホッパーの特注製作なら、小花製作所にご相談ください。

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