ステンレス溶接は、各種アーク溶接と併せて、電子ビーム溶接、レーザー溶接、電気抵抗溶接などさまざまな溶接方法の適用が可能です。
本記事では、特徴、溶接の種類、注意点をお伝えいたします!
本記事は設計担当者や購買担当者の方に必ず知っておいて頂きたい内容です。
本記事は2・3分で読めますので、ぜひご覧下さいませ!



ステンレス溶接とは?主な特徴をご紹介

まずステンレス鋼とは、鉄に一定量以上のクロムを含有した合金鋼のことです。
ステンレスは強度が強く、耐食性、耐熱性に優れているといわれております。
ステンレスでは耐食性を高めるため多量のクロムを含んでおります。

次にステンレス溶接とは各種アーク溶接と併せて、電子ビーム溶接、レーザー溶接、電気抵抗溶接などさまざまな溶接方法の適用が可能です。物理的性質に大きく異なるオーステナイト、フェライト系、マルテンサイト系などがありますので、溶接時に注意が必要です。
また、成分系によっても分類されますので、溶接の特性が多くなります。

次にそれぞれの特徴をご紹介いたします。
フェライト系の特徴はマルテンサイトと比較して成形性や耐食性に優れていることです。オーステナイト系の特徴は耐食性、延性が良く溶接に優れていることです。
マルテンサイト系の特徴は他の系と比較すると強度が強く、通常の環境では良好な耐食性を持っておりますが、溶接に向いていないことです。

ステンレス溶接の種類について

ステンレス溶接以外の溶接の種類として、TIG溶接、MIG溶接、被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接といったものが挙げられます。
一つずつ紹介していきます。

TIG溶接

タングステンの略称です。高品質、高性能且つ美しい溶接ビードが得られますので、あらゆる金属の溶接に適用できます。ステンレスやアルミ等の非鉄金属の溶接に使用することが多いです。

実際のTIG溶接の様子はこちら

MIG溶接

金属‐不活性ガス溶接の略称です。
TIG溶接に比べると品質や美しさに劣ります。
しかし生産性が高いため、よく使用される方法の一つです。

被覆アーク溶接

母材と同材質に被覆材を塗布したものを電極とし、この溶接棒と母材でアークを生じさせ、溶接する方法です。装置が小さいため、値段は比較的安価で購入しやすいです。しかし、溶着が非効率の影響により溶接棒の交換に時間が掛かってしまうデメリットがあります。

サブマージアーク溶接

アークの1種です。
粉粒状のフラックスを散布し、溶接部に沿ってワイヤを送給して溶接する方法です。サブマージアーク溶接も被覆アーク溶接同様、溶着が悪いため注意が必要です。

 

ステンレス溶接における注意点

次に、ステンレス溶接を行う際に注意すべき点についてご紹介いたします。
注意すべき点として、ステンレスに含まれている成分が溶接時と溶接後でどのようにどのように変化するのか事前に理解しておく必要があります。
フェライト系のステンレスは可能な限り短時間で溶接し、熱伝導が良好な治具を非加工物に付けて冷却温度を上げる必要があります。
理由は冷却の過程においてマルテンサイト系によって硬化したり粗大化にする可能性があるためです。
オーステナイト系のステンレスの溶接は比較的容易です。
しかし、高温に弱いため、高温割れが発生する可能性があります。
そのため、フェライト系をいくつかの材料を使用すると高温割れが起きにくい傾向です。
マルテンサイト系のステンレスは低温割れが起きやすい傾向です。
低温割れとは、200~300℃以下で起きる割れのことです。
低温割れを防止するためには、予熱を利用し、母材の温度を200~400℃程度に上げることで、材料の冷却速度を遅くすることが有効です。

実際のステンレス溶接の様子をご紹介します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
当記事ではステンレス溶接に関して、特徴や種類、ステンレス溶接を行う際に気を付けるべきことという点に注目してお伝えいたしました。
「ステンレス精密板金・製缶加工センター」では、ステンレス溶接に精通した技術者が在籍しており、お客様の要望に丁寧にお応えし部品を製作することが可能です。特に加工が難しいとされているステンレスの溶接に強みを持っており、製作が困難とされている部品でも対応することが可能です。
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