ホッパーと偏心ホッパーの違いとは?
ホッパー(別名:ロート〈漏斗〉、コニカル)とは、あらゆる種類の流動可能な材料を必要に応じて、そこから分配させるピラミッド型もしくは円錐型の筐体を指します。様々な材料に使用され、薬品・建設・食品などをはじめ、多くの業界で採用されています。
偏心ホッパーとは、左右非対称の偏心形状のホッパーを指します。基本的な使用法・構造は通常のホッパーとの大きな違いはありませんが、偏心ホッパーは排出口が中央(芯)から逸れていること、製品によっては歪な形状をしていることが特徴としてあげられます。
偏心ホッパーを採用するメリット・デメリットとは?
材料の投入する位置・排出する位置が確定しており、設計上の問題で形状変化が求められる際に偏心ホッパーは採用されます。通常のホッパーでは設置が難しい個所でも、偏心ホッパーなら融通の利く形状に変形させることで周辺部品との干渉を調節し、取り付けることができます。
その他に、通常形状のホッパーではなく偏心ホッパーを採用するメリットとして、ホッパー内の傾斜角度が通常よりも高くなることで、材料の滞留を解消し、材料の排出性を高められることも挙げられます。
一方で、偏心ホッパーにはデメリットもあります。それは、加工・製作に時間が掛かってしまうため、通常のホッパーよりコストがかかってしまう点です。加えて、偏心している故にホッパー自体のバランスも悪いので、材料の投入時は注意する必要があります。そのため、ホッパーを安定させる・固定させるための対策は使用条件次第では必要になります。
また偏心ホッパーの構造次第では、材料の排出性が悪くなってしまい、詰まりや・ファネルフロー(ホッパー内で材料が流れやすい部分・流れにくい部分で分かれてしまうこと)が発生してしまうことも考えられます。そのため、製作時は使用予定の材料によって加工法との相性を確認・考慮する必要があります。
偏心ホッパーの加工ポイント
偏心ホッパーは、通常の曲げ加工では成形が困難な形状が多くなります。そのため、熟練の職人によるハンマーを用いた手作業の成形にて製作する必要があります。手作業にすることで難易度の高い加工形状のホッパーをはじめとする板金部品の製造が可能になります。
また、製作するホッパーが小型であればその分、難易度が上がるため成形以外にも溶接技術が求められます。そして、食品機械や薬品機器などで使用されるホッパーは衛生面が非常に重要になります。そのため、ビートカット・バフ研磨を行い表面処理を施すことで、安全性の高いホッパーとなるように工夫することが必要です。
当社ではステンレス板金部品の展開力に強みを持っております。お客様からご相談いただいた製品のヘルール・排出口共に合わせることが偏心ホッパーに求められる重要な要素となりますが、当社ではこのステンレス様々な形状の偏心ホッパーの特注に対応することが出来ます。打ち出し・叩き出しによる成形技術と高精度な溶接技術を兼ね備えているため、高精度な偏心ホッパーの製造を実現しております。
>>ステンレスホッパーの板金加工・溶接における3つのポイント
当社による偏心ホッパーの製品事例をご紹介
①食品加工機器用 変形ホッパー
こちらは、食品加工機械に付帯する、へルール接続部を備えた、半円型のステンレス製変形ホッパーです。
こちらの変形ホッパーは、通常の曲げ加工では成形が難しいため、職人がハンマーを用いて成型を行いました。ハンマーで叩いて成形を行うことで、通常の曲げ加工では難しい曲げ加工形状の板金部品も製造可能となります。
また、こちらのホッパーは小型ではありますが、その分製造の難易度があがるため、成形のほかに溶接技術も要します。こちらのホッパーには、我々が最も得意としてるTIG溶接で溶接を施しています。
②角丸型ジャケットホッパー
こちらはホッパーと呼ばれる、漏斗状のステンレス製品です。内側に微細な粉状の材料を投入する際、材料のひっかかりを防ぐためのビードカットという溶接痕の除去加工を行っております。
また、このホッパーは本体上部は丸型ですが、下部は四角型に変形しております。そのため、高度な溶接整形と非常に滑らかなバフ仕上げが求められております。溶接後の微調整も難しいです。さらに、大きい方のホッパーの内面に小さいホッパーを入れ子にして使用するため、それぞれのホッパーの寸法精度も高いものとなっております。
偏心ホッパーの特注製作なら小花製作所まで
当サイトを運営する小花製作所では、偏心ホッパーをはじめとするステンレス板金に関する多種多様なサービスを展開しております。
偏心ホッパーをはじめとする特注製品に関するお悩み・ご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。