バフ研磨を行うことによって、加工工程でのステンレス表面の付着物やバリ・キズを除去することができ、
表面が、滑らかになり、衛生的になったり、美観性に優れるといったメリットがあります。
こちらの記事では、バフ研磨について、その効果と注意点についてまとめています。
バフ研磨とは
バフ研磨とは、ステンレスの研磨方法の一種で、ステンレス表面の仕上げを行うために用いられます。
バフ研磨は、布などでできた「バフ」をバフ機械に取り付け、「研磨剤(研磨用の粒や粉)」を付けた上で、回転させながらステンレスの表面に当てることで、ステンレスの表面を研磨していきます。
動画でも簡単にご紹介しておりますので、まずはこちらをご覧ください!
使用する研磨剤の種類によって、ステンレス表面の光沢具合が変わります。
研磨剤の粗さ、あるいは細かさを表すために「番手」が使われます。
番手は、「##番」と表現され、数値が小さいほど粗く、大きいほど細かくなります。
番手が大きくなるほど、鏡面に近い光沢を出すことができます。
バフ研磨の実際の様子はこちら
バフ研磨の効果
バフ研磨を行うことによって、加工時に付いた、ステンレス表面の付着物やバリ・キズを除去することができ、素材表面に光沢を持たせることができます。
そのため、バフ研磨を行うことで、表面の凸凹が減り平滑度が上がり、製品の摩擦を抑えることが可能になります。
また、表面の凸凹を減らすことで、乱反射を抑えることにもつながります。
このように、ステンレス表面の汚れや傷が除去され、滑らかにすることができるため、製品としての精度が高まります。
バフ研磨の種類
バフ研磨は、布などできた「バフ」に「研磨剤」を付けて、バフを回転させることで加工を行います。
バフ研磨に使う「バフ」には、布製、ウール製、麻製、スポンジ製のものがあります。
また、研磨剤にも、固体から液体のものまでさまざまあり、バフや研磨剤は、用途や研磨する対象物の材質によって使い分けます。
研磨は、目の粗いものから目の細かいものの流れで研磨していくことで、表面に光沢を出し、綺麗に仕上げることが可能になります。
バフ研磨の注意点
バフ研磨は、手作業で行う必要があるため、他の表面加工手法と比べて、コストがかかってしまうというデメリットがあります。
加えて、バフ研磨について知っておくべき注意点についてお伝えします。
バフ研磨を施したステンレスの表面は鏡面のようにつるつるして見えますが、実際には、表面には、バフや研磨剤による細かい傷がついています。
また、その傷には、研磨剤の油が付着したりしてしまいます。
研磨後に、汚れを除去するために洗浄を行いますが、完全に除去できるわけではありません。
バフ研磨を行った「ステンレス精密板金・製缶加工センター」の製品事例をご紹介
バフ研磨は「ステンレス精密板金・製缶加工センター」が得意としている技術の1つです。当社では様々なステンレス板金部品の製造を行っており、食品や医療業界等の様々な業界の設計者の要望に応えてきました。
当社は、3D設計・溶接・バフ研磨に強みがあります。設計から加工まで一貫して承ります。
バフ研磨の事例①:角型丸口ホッパー
1つ目は、角型丸口ホッパーです。
こちらは、医薬品業界の機械装置に付帯する、材料を投入・排出する、ホッパーです。こちらのホッパーは、角型の投入口から、丸口の排出口に落とし込むような形状変形になっています。医薬品が中を通るため、内面の溶接ビード等も、ビードカットを施し、凹凸なく非常に綺麗に仕上げ、内面・外面ともにバフ研磨加工で磨き上げています。また、製品に電解研磨処理という、表面処理を協力会社様にてほどこしており、特に内面を滑らかに仕上げています。
バフ研磨の事例②:角丸型二重ホッパー
2つ目は角丸型二重ホッパーです。
こちらはホッパーと呼ばれる、漏斗状のステンレス製品です。内側に微細な粉状の材料を投入する際、材料のひっかかりを防ぐためのビードカットという溶接痕の除去加工を行っております。
また、このホッパーは本体上部は丸型ですが、下部は四角型に変形しております。そのため、高度な溶接整形と非常に滑らかなバフ仕上げが求められております。溶接後の微調整も難しいです。さらに、大きい方のホッパーの内面に小さいホッパーを入れ子にして使用するため、それぞれのホッパーの寸法精度も高いものとなっております。
バフ研磨の事例③:医薬品用攪拌回転タンク
3つ目は医薬品用の材料攪拌タンクです。
医薬品を取り扱う製品のため、衛生面の要求精度が非常に高いです。
このタンク内に医薬品を投入し、写真手前の取り付け部が専用の装置に組み付けられ、タンク全体が回転することで、内容物を攪拌する製品となっております。
タンク本体だけでなく、接続させる腕パーツなどもすべて研磨加工となっているため、内外面の仕上げ精度の高さが要求されます。
そのため、バフ研磨の仕上げ精度が非常に高いです。当社では、専門の研磨職人がバフ研磨を施すことで、その品質を作り上げています。
また、溶接についても、衛生面の要求に応えられるようにしています。
医薬品材料が接合部に入り込みたまってしまうと、雑菌などが発生する原因となってしまいます。
接合部に隙間が開いてしまうことや、溶接ビードの凹凸は、サニタリー性を阻害する要因となります。
そこで、こちらの攪拌タンクには、全周溶接を施し、さらにその溶接ビードを削って滑らかに仕上げるビードカットを行っています。薬品を扱う製品のため内部の表面精度が重要になります。
まとめ
当社では、表面処理まで自社で行っています。バフ研磨においては、鏡面仕上げまで実績がございます。
バフ研磨は専門の職人がおこなっております。また、バフ研磨のみならず、よりグレードの高い「電解研磨」に対応しております。
>>電解研磨とは
ステンレス表面の仕上げ処理にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。